女性は本当に「活躍」したいのか
女性のキャリアについて語られるとき、必ずと言っていいほど出てくる言葉があります。そう、「女性活躍推進」です。
女性が情熱をもって仕事に取り組んでも、キャリアアップの段階で男性になぜか差をつけられてしまう。女性というだけで不当な差別が存在していることは厳然とした事実です。その悔しさの度合いは人それぞれだと思います。
日本では女性が政治やビジネスの世界で要職に就く割合が非常に少ないため、今後もっと重用していこうという機運になっています。こうした動きを受け、大企業や官公庁では女性を管理職に登用するケースが増えてきました。欧米諸国では、クオータ制とよばれる管理職に女性を一定割合登用するルールもあります。
でも。
女性は本当に「活躍」したいのでしょうか?
この「活躍」という言葉、妙に引っかかってしまいます。
ある人は、男性と肩を並べてキャリアの階段を駆け抜けたいかもしれません。
別のある人は、そんなに無理して頑張らずそこそこ働きたいかもしれません。
あるいは、専業主婦として家事や子育てをしっかり頑張りたいかもしれません。
さまざまな事情を抱える人が増えている中、政府や行政が「女性活躍」というキーワードを使うときに受け手側である女性がどう感じるか、もう少し想像力を働かせてもらえたらと思います。